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水道水は体に悪い?水道水を飲むことによる健康への影響まとめ

みなさんは水道水を飲む派ですか?

2016年、東京都水道局は、都内の家庭2083件に対して水道水の利用に関するアンケートを行いました。

その結果、浄水器を通さずにそのまま水を飲んでいると回答した人は46.5%。

つまり約半数の人は水道水をそのまま飲んでいました。

実は私も水道水をそのまま飲む派の人間なのですが、たまに聞くのが、水道水が健康に悪影響を与えるという話です。

実際に、ウォーターサーバーはかなり普及しましたし、最近はミネラルウォーターの商品数もかなり増えたなと思います。

漠然と水道水には塩素が入っていて、それが健康に悪そうだという印象はありますが、実際のところはどうなんでしょう?

今回は水道水を飲むことによる健康への影響をまとめてみました。

 

水道水を飲むことによる危険

 

消毒用の塩素による悪影響

日本の水道水には消毒のために塩素が入れられています。塩素自体は感染症を防ぐためには必要なのですが、人体には悪影響を与えます。

塩素は水中の有機物と反応してトリハロメタンという物質を作るのですが、これに発ガン性があるのではないかと言われているのです。

他には動脈硬化のリスクを増加させる可能性が指摘されています。動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞を引き起こす原因となります。

 

水道管などから溶け出す物質による悪影響

水道水に含まれる懸念物質は塩素だけではなく、水道管や貯水槽から溶出したものもあります。

具体的には、鉛、塗料として利用されたメチレンジアニリンなどです。

鉛は体内に蓄積すると中毒をおこさせ、急性脳症や臓器障害を引き起こす可能性があります。

特に小児は鉛の吸収率が大人の5倍もあるため(経口摂取で大人10%に対し子供50%)、少量でも神経障害や知能発達の遅れなどを発症する場合があります。

メチレンジアニリンは動物実験の段階での話ですが、発ガン性が認められている物質です。

 

水道水の安全性

上記の懸念物質が水道水には含まれています。しかし結論から言うと、水道水は病気を発現させるほどの量の懸念物質を含んでいないと考えられます。

 

水道水が安全な理由

水道水は水道法という国が定めた法律で品質が厳しく管理されています。

大腸菌などの病原性微生物や鉛などの51種の懸念物質についてクリアしなければいけない基準が設けられ、水質検査が義務付けられています。

ミネラルウォーターは食品衛生法で18項目が定められているのみで、その基準も水道法の方が厳しい項目が多いので、ある意味では水道水はミネラルウォーターよりも安全だと言えるでしょう。

 

残留塩素の基準は1mg/L以下です。

WHO(世界保健機関)の飲料水ガイドラインは、健康に影響の無い濃度は5mg/L以下としています。

日本の水道水は、その1/5以下の濃度に抑えているので、健康に影響はほとんど与えないと言えるでしょう。

 

水道管や貯水槽からの懸念物質の影響は微妙

浄水場以降に溶け込む物質については、鉛管からの鉛の溶出の影響が少なからず懸念されます。

多くの地域では鉛管からステンレス管などの安全で耐震性のある素材のものへと取り替えられていますが、なかなか上手く進んでいないのが現状です。

2014年段階では、全国20の府県で全体の10%以上が鉛管のままであるという調査結果が出ています。一番多かった香川県では38%が鉛管でした。

撤去が進んでいない理由としては…

鉛管の使用されている箇所が必ずしも明確でなく、工事記録が残っていない場合も多いこと。

主に問題となるのは鉛管は、配水管から家屋に配水する管に使われていて、個人の所有物となっているため、個人では費用負担が難しいこと。

そもそも所有者に鉛問題が十分に認知されていないこと。

などが挙げられています。

浄水場からの本管については水道局の管理下にあるため、ステンレス管に変えられている箇所も多いようですが、個人所有の配管についてはまだまだのようですね。

 

溶け出す量については詳しく把握することが難しいので、どれほどの影響を与えるのかは定かではありません。

しかし、国が懸念して変更工事を進めているくらいなので、鉛による健康被害については少なからず無視できないでしょう。

 

亜鉛と鉛の違い

ここで1つ思ったのですが、亜鉛と鉛は違うものなのでしょうか?

鉄摂取不足の改善には、鉄性の調理器具を使用して溶出した鉄分を摂取するのが有効とされています(添加調味料によって溶出量は異なり、食酢を入れると一番溶け出すらしいです)。

鉛が亜鉛と同じなら、鉄のように摂取できれば健康によいのではと思ったのですが。

鉛と亜鉛は全くの別物でした。よく考えると元素記号もPbとZnで全く別の物質ですよね。

亜鉛は人体に必須の元素ですが、鉛はただの毒にすぎないということです。

 

水道水を安全に飲むためには?

ひとまず塩素の危険性については考える必要が無いでしょう。浄水場から出てきた段階の水道水は安全です。

もし水道法や浄水場が信じられないなら、水を5分以上沸騰させれば塩素を除去できます。

 

考えるべきなのは鉛管から溶出した鉛についてですが、根本的な解決法は鉛管をステンレス管に換えることだけです。煮沸で除去できません。

心がけとしては、流し水をしてから水を利用するということができます。

水道水を長く利用していなかった場合には管の中の滞留水に溶出した物質が貯まっている場合があるからです。

朝一番や旅行から帰ってきた直後などは、流し水を心がけましょう。

 

水道水を飲むことによる健康への影響まとめ

人は毎日鉛を摂取しています。一日に人が取り込む鉛の80%以上は食物・土壌・ほこりの摂取によるものです。

鉛管を使用している場合は多少なりとも懸念する必要はありますが、みなさん少なからず毎日鉛を摂取しています。

個人的には鉛について過度に気にする必要はないと思います。現在も配管の変更は行われていますし、鉛管を使用している人は小数派です。

ネットで水道水の危険性について調べると、危険性があると主張するサイトもあります。しかしそのようなサイトの多くはウォーターサーバーや浄水器を売ろうとしています。

つまり偏ったことを書いたサイトが多いです。

日本の水道水は水道法により管理されていて安全です。鉛管を使用している人も小数派です。

そのような状態にある中で、水道水をそのまま飲むか、ミネラルウォーターを買うか、浄水器を付けるかは個人の判断にゆだねられています。

何が真実で、危険性がどれほどのものなのか、よく考える必要がありますね。

ちなみに、私はこのまま水道水を飲み続けることにします。

ただ地域によって水の味は異なるので、引っ越した先で味が気に入らないなら水を購入するかもしれません。

旅行先のホテルや友達の家の水道水の味が、我慢できないレベルだった経験があるので…。

 

以上、水道水を飲むことによる健康への影響まとめでした。