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カマキリから出るハリガネムシは人に寄生する?生活環と生態

2019/02/08
 
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田舎で節約生活をしながら暮らしています。 一週間の食費は800円以下! 夢は世界一周旅行! 主に、節約術、野食、旅について書いていきます。
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カマキリを飼っていて、カマキリの腹部から黒い針金のような生物が出てきた事はありますか?

実はそれ、ハリガネムシという寄生虫です。

寄生虫の中では、その見た目と身近さから比較的ポピュラーなやつだと思います。

でも、ハリガネムシはどうやってカマキリに寄生するのでしょうか?

本来は水の中にいるというのは本当?

人には寄生する?

など、ハリガネムシの生態についてまとめてみました。

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1.ハリガネムシとは

文字通り針金のように細長い外見をした寄生虫。
直径は1~3㎜ですが、体長は種類によって数cm~1mに達することもあるそうです!

体節が無く、伸縮性が無いので、のたうち回るような特徴的な動きをします。

以下動画は筆者が川底の泥をすくっている時に救い上げた物です。

何気に日本には14種類のハリガネムシがいて、外見的には体表のクチクラの構造や雄の排泄腔の形状などから分類されています。
寄主は種によって異なることが多いそうです。

 

2.ハリガネムシの一生

 

ハリガネムシは川底の卵から生まれます。

1~2カ月かけて孵化した幼生は、川底に待機して、カゲロウ、ユスリカ、トビケラなどの水生昆虫に寄生します。

それらの水生昆虫の中では殻を作り、シストという休眠状態になって待機します。
この状態になるとマイナス30℃でも死なないそうです。

寄生した水生昆虫が成虫になって陸に出るようになると、カマキリやカマドウマなどの陸上生物に捕食されます。その過程で陸上生物に寄生し、シストの形態からひも状の形態に変化します。

陸上生物のなかでは、その中で寄生主の体液を吸って2~3カ月間成長します。
そしてカマキリの体内で成長した個体は、夏~秋に宿主の肛門付近の体腔に穴をあけて脱出し、脱出後は水中で生活します。

成虫になったハリガネムシは、寄生主の脳に特定のたんぱく質を注入します。
すると宿主は、水辺に近づくようになったり、水辺に敏感になるのだそうです。
ハリガネムシは水中に脱出できない限り、乾燥して生きる事ができなくなるので、本来水辺で暮らしていないカマキリを誘導する必要があるんですね。

脱出後、冬を越えた個体は5~6月に卵を産んで息絶えます。

川底→水生昆虫→陸上生物→水中生活と、2種類以上の生物の体内で旅をして最終的にはもとの水中に戻ってくるんですね。

 

3.ハリガネムシは人間に寄生するのか?

 

ハリガネムシが人間の中に入り込むには、

①卵、幼虫、成体の入った生水を飲んでしまう。
②ハリガネムシに感染した動物や、成虫が付いた野菜などの食物を食べてしまう。

という2パターンが考えられます。

しかし、ハリガネムシの卵や幼生は極めてデリケートなため、人体での発育は考えにくいそうです。

では成体の場合はどうかと言うと…

・ハリガネムシは強酸性条件下でも数時間は生存可能。
・この間著しいうごめき反応をしめす。

とのことなので、ハリガネムシが胃にいる場合は腹痛や嘔吐を起こす可能性があるそうです。
また、胃から腸へ生きたまま移動した場合は激しい腹痛が起こる可能性があるようです。

しかしハリガネムシの形態や運動能力を考えると、消化器官の壁を破ることはできないと考えられています。

全ては考察の範囲ですが、ハリガネムシが人体に入ったとしても腹痛という症状で済みそうですね。

実際にハリガネムシが人間の体内から見つかった例は日本で5例ありますがいずれも、腹痛、吐出、症状なしという状態で、人体にはほとんど影響を与えていません。

まとめると…
・ハリガネムシは人体に寄生できません
・入ったとしてもほとんどの場合は腹痛程度の症状で済む可能性が高いと考えられます。

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4.ハリガネムシの生態系内での役割

 

近年、ハリガネムシが生態系の中で大きな役割を果たしていたことが明らかになりました。

アマゴやイワナなどの淡水性のサケ科の魚は、水中で生活していながら、その餌の多くを陸生昆虫に頼っています。

ここで食べられる陸生昆虫は、雨風などによる偶然の落下で水中に入ってくるものと考えられていました。

しかし、実際はハリガネムシが宿主の陸生昆虫を河川に飛びこませることによって、渓流魚に餌をもたらしていたことが分かりました。

渓流のサケ科の魚が年間に得る総エネルギー量の約6割を、秋の3か月程度に川に飛び込む寄生されたカマドウマで占めていたそうです。

また、陸生昆虫が食べられる代わりに水生昆虫が増える

水生昆虫の餌である藻が減る

落ち葉の分解が促進される

という、メカニズムも実証されたそうです。

まとめるとハリガネムシは…

①陸生昆虫を水辺に誘導して渓流魚に餌を与えている。
②水生昆虫を増やすことによって、落ち葉の分解を促進している。

という森林と河川をつなぐ役割を担っているわけですね。

 

 

ハリガネムシ総まとめ

今回はハリガネムシについて色々まとめてみましたが…

宿主を水辺に誘導したり、結果として生態系の中で大きな役割を担っていたり、なんだかすごい生物ですね。
水生昆虫を増やすことは、翌年の自らの寄生主を増やすことにもなるので抜け目が無くて恐るべしです。

ひとまず人に寄生することは無いので、寄生されているカマキリを見かけたら、腹を水につけてハリガネムシと遭遇してみてはいかがでしょうか?

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