生物・野食

すっぽんの捕まえ方~オススメの食べ方まで。味や生態などスッポン情報まとめ

田舎に住んでいた時代には、よくスッポンを食べていました。月1くらいで食べていたと思います。

もともとスッポンの生息数の多い場所だったようで、散歩中にはよくスッポンを見かけました。大学の卒業研究に亀が大量に必要で罠を仕掛けまくっていて、かかりしだい食べていた感じです。

その頃は極貧生活をしていて、週の食費800円生活をしていた時期などもありました。そんな中で肉は貴重だったんですよね。

今回はそんなスッポンの捕食者である私が、

  • スッポンの捕まえ方
  • スッポンのオススメの食べ方
  • スッポンの生態

などをまとめてみました。

スッポンを捕獲して、食べてみようと思っている人は参考にしてみてください。

1. スッポンの基本的な生態

始めにスッポンの生態をサラッと紹介します。

wikipediaさんいわく、最大甲長は38.5㎝ですが、もっと大きいもののごくまれに見かけます。

甲羅の表面がほかの亀のように固くなく、軟らかいのが特徴です。

1. 分布・生息環境

東アジア・東南アジア・ロシア南東部など、ユーラシア大陸の東端に生息しています。
国内では北海道以外に生息しています。

生息環境としては、用水路や小川などで見かけます。

他の亀よりも水中生活に適応していて、水中でも長時間活動することができます。鼻先を水上に出してシュノーケルのようにして呼吸でき、甲羅干しにでてくることもまれなので、陸上では見かけることが少ないです。

 

2. スッポンの食べるもの

他の亀と同じように雑食で、魚・両生類・甲殻類・貝類などを食べます。

飼育個体には、市販の亀のエサを与えれば食べます。うちの研究室の教授さんは、その辺で採ってきたスジエビや稚魚を与えたりもしていました。

 

スッポンの捕まえ方と食べ方

スッポンの基本的な生態が話せたところで、いよいよスッポンの捕まえ方と食べ方を紹介します。捕まえに行くところから、順を追って説明します。

1. スッポンを捕まえよう

スッポンを捕まえる方法は主に2つです。

亀罠を使う

一つは亀罠を使う方法です。入口の部分が奥にかけて狭まるような形になっていて、それが返しになり、入ったら出られなくなるという仕組みです。

わたしの場合は大学に罠がたくさんあったのでそれを使用しましたが、一般用に通販サイトでも売っているようです。

 

罠の中に入れるエサは基本的に何でもOKです。私はお金が無かったので、するめの駄菓子や、バイト先で廃棄になった揚げ物などを入れていました。

その他、野菜くずや魚のあらなどでも入ります。

基本的にはスッポンだけではなく、クサガメ・アカミミガメなどがよく入ります。むしろスッポンはレアな方なので、根気強く待ちましょう。

設置する場所は、すっぽんを見かけたことのある場所が理想的ですが、亀が多く集まっている場所ならいる可能性があります。

散歩して、やたらと亀がたまっている場所を探してみてください。基本的には、深すぎず・流れの緩い用水路がメインになると思います。

 

探索して探す

スッポンのいる小川や用水路は浅いところも多いので、散歩しつつ見つけ次第捕獲するというのもオススメです。

一つ重要なポイントは、すっぽんが夜行性だということです。

昼間でも居ることはいますが、夜の方が数も増えて見つけやすいです。ヘッドライトを装着して探しましょう。

 

スッポンを発見したら、踏みます。

いきなり手を持っていくよりも踏んでから捕った方が確実です。普通に泳ぐのも早いですし、なによりすぐに砂に潜ってしまうので、逃すと厄介です。

スッポンはしっぽの方から片手で持てば、かまれる心配はありません。前足と後ろ足の間は、アカミミガメなどを持つときにつかみがちですが、スッポンは首が長いので噛みつかれてしまう可能性があります。

心配な人は軍手をはめましょう。

2. スッポンの泥抜きをしよう

捕った場所の環境にもよりますが、2~3日泥抜きをした方が臭いも抜けてきれいになります。

方法は、水を入れたバケツにスッポンを入れ、水が汚くなったら換えます。この期間にエサはやりません。

家の中で泥抜きをしていて、何度か脱走されたことがあります。

見た感じ大丈夫そうでも、前足の爪さえひかかれば脱走するので、しっかり蓋をしておきましょう。

上の写真は、布団の中から発見され、捕まった瞬間のスッポンです。

 

3. スッポンを捌こう

スッポンは軟らかいので、のこぎりが無くても包丁一本でさばけます。

まずは首を落としましょう。首を出した瞬間をつかむか、軍手をかませて引っ張ると切りやすいです。

首から水を入れて血を出したら、甲羅の外側を切っていき、甲羅を開けます。

内臓については肝臓・心臓・腸など基本的には食べられますが、寄生虫も結構いるので私は食べません。腸を縦に開いてみると、赤いミミズのような線虫がよく出てきます。

寄生虫研の教授さんから、スッポンの血と雷魚の刺身だけは食べてはいけないと言われていたので、なんかやばい虫がいる可能性もあるみたいです。雷魚の刺身の方に関しては、過去に病院送りになった学生がいました(笑)。

最後に、脚四本・エンペラ(甲羅のふちの軟らかいところ)・しっぽ・頭に分けたら、解体終了です。気になる人は、脚の爪も切っておきましょう。

3. スッポンを食べよう

 

スッポン鍋

スッポン料理といえば鍋ですね。

白菜などとともに茹でれば、すっぽん独特の出汁がでて滋味あふれる鍋ができます。

すっぽん自体の味は鶏肉のような感じで美味です。皮やエンペラは溶けてとろとろになります。

亀臭というか、独特な風味については好き嫌いが分かれる所かもしれません。気になるなら生姜や酒でにおいを消しましょう。

 

スッポンのから揚げ

個人的に鍋よりオススメしたのはから揚げです。

スッポンは鶏に近い味なので、鶏のから揚げのようになります。食感は、鶏のから揚げよりも軟らかく、皮はプルプルになっているので独特な感じです。

こちらの方が独特な亀臭がなくなるので、食べやすくなります。スッポンの出汁が衣によって閉じ込められている感じで、すっぽんの旨味を感じることができます。

 

最後に… スッポンの乱獲はやめましょう。

さんざん乱獲してきたやつが言えるセリフではないですが、すっぽんを乱獲するのはやめましょう。

わたしが住んでいた場所はたまたまスッポンの生息数が多く、頻繁に見かけることのできる環境だったので、たくさん捕ることができただけです。

たくさんいる地域で普通に捕ることは問題ありません。

しかし、福井県・群馬県では準絶滅危惧種、東京都では絶滅危惧Ⅰ類に指定されています。そのほか24の府県で情報不足のカテゴリーになっています。

生存への脅威として考えられているのは以下のようなものです。

  • 護岸工事などによる産卵場所の減少
  • 水質の汚濁
  • 国外産の集団との交雑

養殖池から脱走したものが、在来のすっぽんと混ざって交雑しているという問題も発生しているようですね。これについてはオオサンショウウオでも問題になっていますが、いちいち遺伝子を調べる必要があるので、もう解決はできないでしょう。

護岸工事に関しては、これらの生物に配慮したような工事が増えることを願うばかりです。

 

いずれにせよ、過剰に捕りすぎないようにはしたいですね。

以上、スッポン情報まとめでした。