草むらに入って出てくると、服がひっつき虫だらけに…
なんてことを誰でも一度くらいは経験したことがあるはずです。
特に子供の頃なんかは、ひっつき虫を他人の服につけて遊んだことがある方もいるでしょう。
ただ単に服にくっ付いてくるので、「ひっつき虫」とよばれているこれらの植物ですが、
やはりそれぞれにしっかり名前があって、日本には約50種類が存在しています。
ふと考えてみると、トゲトゲしたやつと、イガイガしたやつの2種類以上があることは分かりやすいですね。
今回は身近な所に生えている、代表的な「ひっつき虫」を5種類紹介していきます。
1. アメリカセンダングサ
いわゆるトゲトゲしたひっつき虫です。
草むらや田んぼの周りで、よく見られます。
果実はやや横長で、茎が紫色になるという特徴を持ちます。
先端の二股部分には下向きのとげがついていて、このとげを使って服などにくっ付きます。
よく見かける植物ですが、じつは外来の植物です。
2. コセンダングサ
こちらもイガイガのひっ付き虫です。
冬になると、道端や草むらなどでイガイガが目立ちます。
先ほどのアメリカセンダングサと同じグループでよく似ていますが、より種が細長くてスマートなのが特徴ですね。
こちらも外来植物ですよ。
3. オオオナモミ
ひっつき虫と言われて本種を連想される方も多いでしょう。
いわゆるイガイガタイプのひっつき虫です。
他人に投げてくっ付けるなら本種ですね。
ラグビーボールのような形の種子に、かぎ状のつめがたくさん付いています。
実はこのオオオナモミも外来種です。昔からいる植物のように思われがちですが、もともといたのはオナモミという別の種類の植物です。
場所によっては、ケナガオナモミという、オオオナモミよりもさらに大きくてとげの長い外来種も見られます。
4. アレチヌスビトハギ
出典:https://blogs.yahoo.co.jp/neko_nonohana/61815752.html
まめ型のひっつき虫で、実際にマメの仲間です。
小さな果実が4~6個連なって、一つの果実になっています。
果実の表面にはかぎ状の細かい毛が生えていて、これで服などにくっ付きます。
春から夏の緑の状態と冬場の茶色のどちらの状態でもくっ付いてきますよ。
服にくっ付くと、連なって一つになっていたのが、それぞれ離れてくっいたりするので、何気に面倒なひっつき虫ですね。
似た草に、ヌスビトハギという植物がありますが、こちらは連なる小さな果実が2つだけであることから区別できます。こちらは林縁などに見られる草なので、街中の草むらや道端で見られるのは、ほとんどがアレチヌスビトハギです。
5. イノコヅチ
出典:http://www.geocities.jp/tama9midorijii/ptop/ip/inokoduchi.html
地味なのであまり印象には残らない植物ですが、面倒なくっ付き虫です。
注意して見ると、道端や草むらでもよくみられる草です。
長さ5ミリ程度の小さな果実が、茎の先に密集しているのですが、
この一つ一つにとげのある付属物が付いていて、一度触れるとたくさんの種子がくっつきます。
大きさが小さい分取るのが大変です。
こちらは写真のような緑色の時期にくっ付くイメージが強いですね。
身近なイノコヅチには、ヒナタノイノコズチとヒカゲノイノコズチの2種類が存在しています。
その名の通り日向を好むものと日陰を好むもので分かれているのですが、外見的には茎の毛がより多く、花の数もより多いのがヒタナノイノコヅチです。
ひっつき虫の種類まとめ
これまでは細長いトゲトゲの草はすべてアメリカセンダングサだと思っていたのですが、センダングサの中にもタウコギ・コセンダングサ・コバナノセンダングサなど様々な種類がある事が分かりました。
ひとまずとげの先端が2股ならば、アメリカセンダングサかタウコギです、3股以上なら他の種類という事になります。
普段なんとなく見ていたひっつき虫にも実は色々な種類があったのです。奥が深いですね。
またオオオナモミ・アメリカセンダングサなどがよく見られる一方で、在来のオナモミやセンダングサは数を減らしています。
特にオナモミに関しては、西日本で絶滅したといわれているくらい希少な植物になってしましました。
このような背景も覚えておくと、ひっつき虫への見方も少し変わってくるかもしれませんね。
以上、ひっつき虫の名前まとめでした!