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損失余命とは?ご飯1杯で39秒寿命が縮む

損失余命という言葉をご存じでしょうか?

タバコを吸うと健康に悪いと言われますが、具体的には一本あたり12分寿命を縮めると言われています。

このように、『ある事を行ったときに、おおよそ寿命がどれだけ縮むのか?』を数字で表したものが損失余命です。

タバコや運動不足は何となく健康に悪そうなので、寿命を縮めているというのは分かりますよね。

しかし実は、白米のごはん・ひじきの煮物・コーヒー・フランクフルトなど、日常的に食べているものも寿命を縮める可能性を秘めています。

そこで今回は、身近な食品や生活習慣が、どれだけ私たちの寿命を縮めているのかまとめてみました。

そもそも損失余命とは?

まず特定の要因の影響がない集団の寿命から、影響がある群の寿命を引いて、集団での全損失時間を算出します。

それを一人あたりの数字に修正したものが損失余命です。

損失余命を使うことによって、食品のリスクを分かりやすく示し、比較することができます。

 

信頼性は?

損失余命はリスク評価の専門家の間では、長い間使用されてきた考えです。WHOでは従来から使われています。

そのため損失余命の考え方自体には、それなりの信頼性が確保されていると考えて良いでしょう。

 

具体的な食品

 

1.コーヒー 一杯あたり

20秒

これはカフェインによって、膀胱ガンの発生率を高めてしまうと考えられているためです。

しかし一方で、一日4~5杯のコーヒーを飲む人は、死亡リスクが男性12%、女性で16%低くなるという結果も出ています。
そのため全体ではコーヒーをよく飲む人は、飲まない人より長生きしやすい可能性があると言えます。

 

2.ジャンボフランクフルト(コンビニサイズ一本)

1分14秒

加工肉のリスクは大腸がんに関するものです。

摂りすぎれば問題ですが、加工肉はタンパク質の摂取源として重要なので、無理に排除する必要はありません。

 

3.白いごはん一杯

39秒

米は土壌中の無機ヒ素という物質を含みます。これが発ガン性を持つため、そのガンの基礎データから算出された数字です。

ただ現在の所、米に含まれる無機ヒ素による健康被害は起こっていないとされているので、特に気にする必要はありません。

 

4.ひじきの煮物(小鉢一人前)

58分

タバコ4本分以上という驚くべき数字ですが、これはひじきが無機ヒ素を大量に含んでいるためです。
実際にイギリスでは、この結果よりひじきを食べないようにという勧告が出ています。

実は鉄分もさほど多く含まれているわけではないので、発がんリスクを考えると積極的に食べるべきでは無いと言えます。

 

行動の損失余命

 

1.自動車の運転10㎞ごと

16秒

これは一定距離で事故死するリスクを、損失余命の形で表したものです。

これに関しては安全運転を心がけるだけですが、このくらいのリスクはあるという事ですね。

 

2.運動不足

生涯で1.78年

運動不足は生活習慣病の原因となり、ひいてはガン・認知症などの大きな病気に繋がります。

リスクの大きさを考えると、運動するべきでしょう。

運動をすることによって、予防できたり、症状を改善できたりする病気は30種類以上もあるそうです。

 

3.高血圧

生涯で5.94年

高血圧は、心筋梗塞・脳卒中などを引き起こすような、循環器系の病気を引き起こす可能性を高めます。

高血圧にならないためには、塩分の取りすぎや運動不足に注意しましょう。

 

損失余命の考え方の注意

 

1. 損失余命はメリットについては考えていない

コーヒーのように寿命を伸ばす方の効果と比較すると、全体的には寿命を伸ばす食品もあります。

またその食品の栄養による健康効果のメリットが、損失余命のデメリットより大きいと考えられる食品もあります。

つまり損失余命のデメリットは、食品の健康効果のメリットと比較して総合的に考える必要があります。

 

2. 全ての食品には何らかのリスクがある

精密に調べれば、全ての食品には多かれ少なかれ発ガン性などのリスクがあります。
ですからリスクを無くすのではなく、リスクの全体量と、リスクの質を考えなければいけません。

 

3. 平均寿命は伸びている

日本人の寿命は一日あたり、約2時間伸びていると言われているので、一日あたりの損失余命が2時間を越えなければ、平均寿命には影響を与えません。

 

損失余命まとめ

以上のような注意点を考慮すると、全体的には健康にプラスになる食材が多いと感じられます。

ただリスクの少ないものであっても、特定の物だけを食べ続けるとリスクの全体量は多くなってしまうので、偏らず色々な物を食べることが重要です。

逆にひじきのように比較的リスクの高い物でも、少量ならば大丈夫だということですね。

損失余命という指標自体は、食品や生活習慣のリスクを一目見て分かりやすく説明できるものです。

これから健康について考える際に、ひとつの指標として損失余命を用いてみてはいかがでしょうか?

 

今回の記事は 『それで寿命は何秒縮む?「損失余命」というリスクのものさし 』半谷輝己を参考にしました。
そのほか放射線の食品への影響なども、損失余命を用いて説明されているので興味のある方は参考になさってください。