ある日のこと、家の前の水路で大きなライギョを見つけました。
動く気配が無かったので獲ってみようということになり、ゆっくり近づいてタモ網で捕獲。
雷魚についてネットで調べると、鶏肉の味、フグの味、ウナギの味など種類は様々ですが美味しいという評判でした。
それならばということで、ライギョを調理して食べてみることに。
そしてこれが筆者の野食の道への入り路になったわけですが…
今回はライギョを食べてみた感想と、ライギョの生態についてまとめました。
Contents
1. そもそも雷魚とは?
雷魚とはカムルチーという魚の呼称です。今回筆者が食べたのもカムルチー。
その他にはタイワンドジョウ科に属する魚の総称としても使われています。
日本に生息するタイワンドジョウ科の魚はカムルチー、タイワンドジョウ、コウタイの3種です。
以降この記事では、カムルチーについてまとめます。
2. カムルチーの特徴
全長は70~80cmに達する大型の魚です。
別名としてスネークヘッドと呼ばれることがありますが、実際に上面が平たく、側面も平らな三角形の特徴的な頭をしています。
カムルチーは歯が鋭く、持つ際には注意が必要です。
また空気中の酸素を直接取り込んで呼吸することができるため、無酸素状態の水域でも生息することができます。
3. 生息環境・分布
原産地は中国~ロシアのアムール川流域までのユーラシア大陸東部です。
日本には1923年頃に朝鮮半島から持ち込まれました。
現在は琉球列島を除く、全国各地で見られます。
生息環境は池・沼などの止水域や、川・水路の水の流れの穏やかな場所です。
特に水草帯を好みます。
4. カムルチーの食性
肉食性で、昆虫類、甲殻類、魚類、カエルなどの両生類の他、水鳥の雛、ネズミなどの哺乳類も捕食します。
ずいぶんと幅広い種類を捕食するんですね。
普段は水草の茂みなどに潜んでいて、通りがかった獲物を捕食する待ち伏せ型の狩りをします。
5. カムルチーの生活環
繁殖期は夏です。
親魚は水草などを集めてドーナツ状の巣を作り、巣の中心に卵を産みます。
その後は雄と雌が共同で卵と稚魚を保護します。
稚魚は親魚のもとで群れを作って過ごし、成長するにつれて単独生活を始めるようになります。
寿命は10~15年と言われていて、中には25年生きた個体も確認されているそうです。
また冬場は水温が15℃以下になると、冬眠状態に入ります。
6. 雷魚を食べてみた感想
実は筆者にとって、この雷魚が初めての魚さばき。
大きすぎて台所に入らず、お風呂場で捌きました。
雷魚がその辺の魚と違う所は、皮が固い事と、中骨がやたらと太い事です。
100均の包丁で挑みましたがのこぎりのように押し引きする感じで切り進めて、気づけば1時間以上かけてさばいていました(笑)。
中骨に関しては固すぎるので、切断しないままで身だけを取り出しました。
太い骨を切断するには剪定鋏を使うと良いみたいです。
やっと捌いた雷魚の身は、から揚げにして食べました。
味はタラのような感じで淡白。
普通にフィッシュバーガーに挟まっているような感じの味でした。
ネット上で見たようなウナギや鶏肉の風味はありませんでしたが、フグにはちょっと似ているかもしれません。
いずれにせよたいへん美味でした。
原産地では食用として養殖もされているので、もともと食用向きの魚だったんですね。
※寄生虫に注意
雷魚は顎口吸虫の寄生主となっている可能性があります。
顎口吸虫の幼虫は人体の中では成虫になる事ができず、そのまま体中を移動します。入り込む場所によっては重篤な症状を引き起こす場合があるので注意しましょう。
加熱すれば問題ないですが、生食は避けた方が無難です。
寄生虫の危険や対策についてはこちらの記事にまとめたので参考までに。
7. 雷魚の外来魚としての問題
大型の肉食魚であるため餌となっている魚類、甲殻類、両生類への捕食の影響が懸念されています。
かつては要注意外来生物のリストに記載されていました。
しかし現在ではその後に改定された生態系被害防止外来種リストに記載されておらず、生態系に大きな被害をもたらさないとも考えられています。
さらに生息環境の悪化やバスとの競合により、数が減ってきているといわれています。
8. 雷魚まとめ
以上が雷魚(カムルチー)の生態や、食べた感想でした。
全国的には減少しているようですが、筆者の家の周りではまだまだ見られるので、食べられるうちにたくさん食べておこうと思います。
一匹取れば食べ応え十分で、美味しい魚なのでぜひ一匹試してみてはいかがでしょうか?