ある日、ふらりと入った海沿いの魚屋さんで見知らぬ魚を見かけました。
水魚、6尾569g入って、お値段182円!
訳の分からぬ食材に興味のある筆者。見知らぬ食材を見かけたら買うしかありません。
というか、魚がこの量で182円は安すぎませんか?
本記事では、水魚とはどのような魚なのか?、水魚の食べてみた感想、食べ方などをまとめています。
水魚に興味のある方は良かったら参考にしてみてください。
Contents
1. 幻の魚ゲンゲ(水魚)とは?
正式な和名はノロゲンゲです。魚屋さんやスーパーでは、水魚・ゲンゲ・ミズベコなどの名前で売られています。
日本海やオホーツク海の水深200〜1800mに棲む深海魚です。
ゲンゲの由来は、下の下、下魚が訛ったものらしく、かつては捨てられる魚でした。
しかし現在は、カニ漁や底引き網の水揚げの際に一緒に獲られたものが流通しています。
主に日本海側の産地にしか流通していないため、一部では幻の魚などと呼ばれているそうです。
富山では、ホタルイカ、ズワイガニ、シロエビに次ぐ海産物として、ゲンゲを売り出しています。
ゲンゲの旬は?
深海魚のため、特に旬は無いようです。
ただし底引き網が稼働するのが、9〜5月ぐらいになるので、夏場は流通しない可能性があります。
2. ゲンゲ(水魚)料理・食べ方
ゲンゲ(水魚)の刺身
朝とれと書いてあったので、ひとまずシンプルに刺身で食べてみました。
旨味はありますが、非常に淡白な味です。
水魚の表面はゼラチン質で覆われています。
この部分の食感が悪く、回転寿司の安くて噛み切れにくいイカのような味と食感でした。
ゼラチン質の部分を取り除くことも考えましたが、身にくっついているため除去は難しく、量も少なくなってしまうので賢明ではないと思います。
まずいとは言いませんが、刺身はオススメしません。
水魚(ノロゲンゲ)の捌き方・下処理
今回は初めて食べたので開いてみましたが、本来は内蔵を取り除いたら、ぶつ切りかそのまま使って大丈夫です。
内臓の量は少なく、肛門もかなり前の方にあります。つまり体の多くを尾が占めています。ナマズのような感じですね(グループ的にはナマズではなくスズキの仲間です)。
骨はありますが、小さく柔らかいので、それほど気になりません。大きな個体の場合、少し骨の存在を感じますが、缶詰の煮イワシの骨くらいの違和感です。
その他下処理としては、表面に少しヌメリがあるので、流水で軽くしごいて取り除きましょう。
ゲンゲ(水魚)の煮付け
続いて、醤油と砂糖で煮てみました。
身自体の旨味を感じられて美味ですが、加熱してもゼラチンのプルプルは健在です。
刺し身より美味しくいただけましたが、食感で好みが分かれそうです。
ゲンゲ(水魚)の天ぷら
続いて、軽く衣を付けて油で挙げてみました。
魚の旨味を感じられて、普通の白身魚のフライといった感じです。美味です。
ただしコラーゲン部分はゼリー状のままなので、食感は複雑。
すっぽんのエンペラのように、もう少し硬さと弾力があればいいのですが、これはクラッシュしたゼリーのような食感です。
これも食感で好みが分かれそうですが、味は美味でした。
ゲンゲ(水魚)の塩焼き
冷凍保存したものを、後日シンプルに塩をかけて焼いてみました。
全体的に水っぽく、白身の焼き魚にお湯をかけたようです。問題はこのゼリー状の部分に旨味が無いことですね。
まずくはないですが、オススメはしません。
番外編:つくねハンバーグ風の何か
ゲンゲの頭を捨てるのがもったいなかったので、頭をミンチにして、小麦粉・卵・おからと混ぜて揚げ焼きにしました。
正直これが一番美味しかったですが、この美味しさはおからの功績です。
ゲンゲの風味は感じず、ゼリーのドロドロで食感を邪魔してくるだけでした。というかこの料理にゲンゲを使う必要がそもそも無いですね。
3. ゲンゲ(水魚)まとめ
オススメの食べ方としては、
- 煮付け
- 天ぷら
- 塩焼き
の順になります。
刺し身は食感が悪いので、避けた方が良いでしょう。
いずれも味自体は美味ですが、ゼラチン質の部分の食感で好みが分かれそうです。
その他、干してみたり、味噌汁に入れる食べ方もあるようなので、そちらも試してみようと思います。
いずれにせよ、捨てられていた水産資源が流通するようになったのは良いことですね。
以上、水魚(ゲンゲ)まとめでした。