生物・野食

【ヤブカンゾウを食べる】つぼみ・若芽の食べ方、味、季節などまとめ

私の地域では3月下旬から4月の中旬にかけて、食べられる野草が一気に出現します。

つくし、菜の花、セントウソウ、セリ、ミツバなどです。この時期の野草は若くて柔らかいので多くのものを食べることができます。

それらの中でも、最も食べやすくて、たくさん採りやすいのがヤブカンゾウです。


▼左からセリ、ヤブカンゾウ、セントウソウ

今回は、ヤブカンゾウのつぼみと若芽の味、食べ方、採れる季節などの情報をまとめてみました。

食べる野草としてかなりオススメできるので、よかったら参考にしてみてください。

 

私の住む地域では、3月下旬頃になると直売所にもカンゾウが並び始めます。

立派な食材として認知されてるわけですね。

 

1. そもそもヤブカンゾウとは?

ユリの仲間の多年草。日本には有史以前の古い時期に渡来したとされていて、原産地は中国です。

夏に八重咲きの大きな目立つ花を咲かせるので、花でご存じの方も多いでしょう。

 

よく似た草としては、ノカンゾウがあります。

ヤブカンゾウとの違いは、花が八重咲きではないところです。

ヤブカンゾウはいたって普通にみられますが、こちらは各地のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されるレベルのレア種になってしまいました。

庭先で栽培されているものはたまに見かけますが、野生下では数を減らしているようです。

減少原因としては、造成工事、園芸採集、草が刈られなくなったことによる草地の遷移が挙げられています。

ヤブカンゾウはそこら中に生えているので問題ありませんが、ノカンゾウはできるだけ採取しないようにしましょう。

写真提供 :http://www.flower-photo.info/products/detail.php?product_id=507

2. ヤブカンゾウの食べられる季節・旬

若芽は3月下旬~ 4月半ば頃まで。それ以降は固くて食べられなくなります。

つぼみは6~8月に発生します。

よく見られる場所は堤防などの日当たりの良い場所です。結実はせず、地下茎を伸ばして広がるため、1ヶ所にたくさんの株が密集して生えています。

色も薄緑で分かりやすく、見つけるのは簡単です。

 

 堤防のような環境には毒草のスイセンが生えていることがあります。

ニラに間違えられることが多く、ヤブカンゾウにはあまり似ていませんが、たくさん採る際に紛れ込まないように気をつけましょう。

致死量は10g程度です。

 

3. ヤブカンゾウの若芽の食べ方・味

癖が無いので生でもいけますが、茹でた方が食べやすいです。

生でもいけるくらいなので、30秒程度サッと茹でて食べます。茎のシャキシャキ感を残すために茹で過ぎない方がオススメです。

全体的に、味はアスパラガスに似ていて、癖が無く食べやすいです。根本の白いところはほのかな甘味が感じられて美味です。葉にも癖はほとんどありませんが、ネギのような風味をかすかに感じます。

 

3. ヤブカンゾウのつぼみの食べ方・味

こちらもサッと茹でていただきます。

味も変わらずアスパラガスです。ほのかな甘味があって、普通に美味しいですね。

つぼみを乾燥したものは、金針菜という名前の中華食材として利用されています。

 

まとめ: ヤブカンゾウは食べる野草としてオススメ

ヤブカンゾウは山菜と言うほどのものではなく、低地の堤防などの身近な場所でとれる野草です。

生でかじってもほとんど癖を感じないほど食べやすく、密集して生えていて見つけやすいので、ぜひ食卓に取り入れてみましょう。