野食という言葉をご存知でしょうか?
これは身の回りの野生生物を実際にとって食べることを意味します。
身の周りの物を食べるといっても、具体的なイメージは沸きにくいですが、実は私たちの回りには食べられる食材がたくさんあります。
そこで今回は、筆者が実際に採って食べてきた野草・魚・虫などの一部を紹介します。
食べられる野草・雑草・木の実
左からセリ、ヤブカンゾウ、セントウソウ
1.セリ
こちらはスーパーでも売っているくらいの立派な食材ですね。独特の爽やかな芳香を持っています。セリは水辺に生えていることが多く、比較的どこでも生えている印象です。3月くらいの若いものが柔らかくて食べやすいです。
2.ヤブカンゾウ
夏にはオレンジ色のきれいな花をさかせるユリの仲間です。主に若い新芽やつぼみを食べます。
新芽は癖が無くて、生でもいけます。味はアスパラガスような感じです。
つぼみは、特にうまくも不味くもないですが、やはりアスパラガスのような味がします。
3.スベリヒユ
葉が肉厚で綺麗な黄色の花をつける植物。園芸種のポーチュラカとしても知られています。
庭や道路の片隅から、畑のあぜ道までいろいろな所に生えています。
味は癖のないホウレンソウのような感じで美味です。切ると独特の粘りが出てきますが、おひたしにするとおいしいです。山形県では伝統的に食べられている野草のようですね。
4.つくし
つくしはまだ食材としての認知度が高いのではないでしょうか?
あく抜きをして卵とじにするのがポピュラーです。
5.イタドリ
あまり聞いたことない名前かもしれませんが、けっこうそこら中に生えています。
高知県では山菜として直売所などで販売されているそうです。
味は酸っぱいので、水につけてあく抜きをすると美味しく食べられます。炒め物や煮物に使うのが一般的です。
6.オニグルミ
こちらは野生のクルミです。
市販の物よりも大きさは小さいですが、味はクルミそのもの。
難点としては割るのが大変ですが、専用の機器が無くても包丁で割ることができます。
通販で普通に販売されているので立派な食材だと言えますね。
食べられる川魚
筆者が住んでいるのが海なし県なので川魚のみです。海の魚は食べる機会が多いですが、川魚もけっこういけます。
1.アユ
スーパーでも売られている立派な食材ですね。
筆者の住んでいる滋賀県のアユは、コアユと呼ばれていて少し小さいのですが、4月頃になると近所の川に遡上してきます。塩焼き、天ぷら、佃煮など何にしてもおいしいです。
2.ナマズ
こんなん身の周りにいるの?って思いますがけっこういます。かごを仕掛けると採りやすいです。
味は淡白な白身魚という感じです。場所によっては泥抜きをしっかりしないと、泥臭くなります。筆者は数回食べましたが、どれも何かケミカルな味がしました。
ただしっかりと食材として認知されているので、うまく調理すれば美味しいことは間違いなし。
ナマズをウナギの代用品に使う研究もされているようです。
3.雷魚
東南アジアからの外来種ですが、現地では揚げ物や鍋に使われていて、養殖もされているそうです。
現在では日本全国に分布していて、意外と身近にもいたりします。
味は淡白な白身で美味です。身が肉厚なのでフライにすると美味しくいただけます。
食べられる虫
1.イナゴ
おじいちゃん・おばあちゃんから、昔はイナゴを佃煮にして食べたという話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、やってみると普通に美味です。
バッタ自体に味という味は感じられませんが、ほのかな草の香りがします。
2.セミ
夏場は取り放題ですね。現在ではセミを食べるイベントが全国各地で開催されたり、ブームになっているようです。
実際に食べてみたところ、エビのような味がしました。揚げるとエビせんべいといったところです。
食べられるその他の生物
1.ウシガエル
今では全国各地で見られるウシガエルですが、もともとは食用として入ってきた生き物です。
食用なだけあって美味で、鶏肉ベースにすこしホタテの貝柱が混じったような味がします。チキンライスに鶏肉として使用しましたが、違和感なしでした。
2.スッポン
言わずと知れた高級食材ですが、水路を見ながら歩いているとたまに見かけます。
スッポンと言えばスッポン鍋ですが、おすすめはから揚げです。鶏肉のような味がします。
3.スジエビ(川エビ)
川にいる小さなエビです。
素揚げにして、塩をかけて食べるのがシンプルかつ美味しいです。
つまみとしてパクパク食べられますよ。
また滋賀県にはエビと大豆を煮た、エビ豆という伝統料理があります。エビと大豆のうまみが、甘いタレと合わさって美味です。
食べられる生き物まとめ
以上が身の回りの食べられる食材たちでした。
意外と探してみると、色々な食材が身の周りにもあることに気づきます。
ちょっとした散歩の際に、食べられる草を摘んできて料理に使ってみるくらいなら取り入れることができそうですね。
野食の目的は好奇心を満たすことだと思うので、気になる食材があればぜひチャレンジしてみましょう!