生物・野食

都会の庭で見られる代表的な灰色の野鳥 ~ムクドリとヒヨドリ~

  • 街中や庭でよくみかける灰色の鳥。
  • 大きさはスズメより大きく、鳩より小さいくらい。
  • 大きな声で鳴く(うるさい)。

ふとそんな野鳥に目が向いて、名前が気になったことはありませんか?

たいていの場合、それはヒヨドリムクドリでしょう。

今回は、ふと「あの灰色の鳥は何だ?」と感じた際の回答となるような記事を書いてみました。

灰色の野鳥でくくったのは、ムクドリとヒヨドリが特に人の目を引きやすいからです。両種とも特に目立った色や姿形というわけではありませんが、庭や街中の電柱でも見られる身近さと、よく目立つ大きな鳴き声から、野鳥に興味の薄い方の関心も引きやすいといえます。

本記事では、

  • ムクドリとヒヨドリの見分け方や生態
  • その他の灰色の鳥の種類。

などをまとめてみました。身近な灰色の鳥に興味が向いた方は参考にしてみてください。

ヒヨドリの見た目や生態


全長 28㎝

全身が灰色で、頬に茶色の部分があるのが特徴です。体の中で尾が細長いためスマートな印象を受けます。雌雄同色です。

数回羽ばたいて休む動作を繰り返すような独特の飛び方も特徴的です。波形を描くような飛び方をします。

ヒヨドリの生息分布

全国に分布し、低地~産地の林・家付近の街路樹・樹木のある公園など、幅広い環境で見られます。

一年中同じ場所で見られるものと、夏は山地に移動し、冬になると平地に降りてくるタイプのものがいます。そのため、どちらかといえば冬に姿を見かけやすい鳥です。

また、北国で繁殖するものは、秋になると群れで南へ移動します。これらの渡りの時期には群れを形成するのでより目につきやすくなります。

 

ヒヨドリの鳴き声

「ピーピー、ピーヨ」と甲高いよく通る声で鳴きます。よく目立つので、この声で存在に興味を持つ人も多いでしょう。

また、この「ピィーヨ(ヒヨ)」という鳴き声は名前の由来だと言われています。

 

ヒヨドリの食べるもの

基本的には果実や花の蜜をよく食べます。桜の時期には、桜の花の蜜を吸う姿がよく見られます。

庭に何かしらの果実があれば、それを食べに来ているのかもしれません。うちでは冬場に南天の実をよく食べに来ます。

また植物の葉を食べることもあり、冬場にはキャベツやブロッコリーの葉をついばむ姿も見られます。

そのほか、繁殖期の夏には虫もよく食べます。

 

ムクドリの見た目や生態


全長 約24㎝

全身はおおむね灰色で、顔には白い部分があります。くちばしと足は黄色です。

ムクドリの生息分布

全国に分布。ヒヨドリと同じく、一年中同じ場所にいるものと、繁殖期の夏を北の地域や山地で過ごし、冬に南の地域や低地に移動するものがいます。

繁殖期が終わった秋~冬になると群で行動するようになり、時には1万羽以上の大群になることもあります。そのため、都市部の街路樹に集まると、鳴き声による騒音や糞害などの問題も発生させます。

生息環境としては、低地から山地の農耕地・市街地・草原など開けた環境でよく見られます。木の生い茂った森林で見かけることは稀です。

 

ムクドリの鳴き声

「キュルキュル」、「ジャー」など。色々な声で鳴きます。
いずれにせよ単体での声量はあまり大きくありません。

ムクドリの食べるもの

昆虫や果実などを食べます。トコトコと歩きながら採食し、芝生や畑の土を掘り返しながら、ミミズや木の実などを探しています。

歩き方は両足をそろえて跳ね歩くタイプです。ちなみに身近な鳥だと、スズメが跳ね歩くタイプ。ハトは足を交互に出して歩くタイプ、カラスはその混合です。

歩き方に注目して鳥を見るのも面白いですね。

ムクドリとヒヨドリの見分け方

画像を見ると分かりますが、色が似ているだけでそんなに似ているわけではありません。

  • ヒヨドリは顔に茶色の部分、ムクドリは白い部分がある
  • ムクドリは足やくちばしが黄色
  • ヒヨドリはスマートで、ムクドリはよりずんぐりした感じ

 

生態的な違いは…

  • ムクドリはホッピング走法 (ヒヨドリはあまり地面に降りない)
  • ヒヨドリは甲高い声、ムクドリは単体の声は目立たない

などが主な見分け方です。

 

その他、身近にみられる灰色の鳥

大きさがスズメ以上ハト以下の灰色の鳥の中で、身近で見られるものはほとんどがヒヨドリ・ムクドリでしょう。その他には、下記のイカルという鳥くらいです。

スズメと同サイズ程度の鳥には、ハクセキレイもよく見られます。

イカル

平地から山地の森林に生息し、冬場には低地へ降りてきます。灰色ベースの体色に、頭部や風切りの先の黒藍色、くちばしの黄色が美しい鳥です。

冬場には低地の街中でもよく群れが見られます。キィーコーキーとよく通る鳴き声を聞いて存在に気付く人も多いでしょう。

 

ハクセキレイ

都市の駐車場や農耕地などでよくみられる鳥です。特に駐車場で歩いている姿を見たことある人も多いはずです。

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都会の庭でも見られる灰色の野鳥まとめ

生物を見た時にまず特徴としてとらえやすいのが大きさ・色・形でしょう。

たいていはそれらの特徴と「野鳥」というワードをくっつけて検索すれば、種類が割り込めるはずです。

今回紹介した灰色の鳥以外にも、茶系色のスズメ・キジバト・カワラヒワ、黄色系のマヒワなど様々な色の野鳥が身近には見られるので、外出の際には少し注目して歩いてみるとおもしろいかもしれませんね。

以上、身近な灰色の野鳥まとめでした。