生物・野食

サツマイモが最強の作物である理由【家庭菜園で半自給自足を目指す】

私は半自給自足生活を目指しています。

半自給自足生活とは、自給自足までは無理だけど、自分で育てた植物やその辺で採ってきた食材で全食材のうち2割程度をまかなうような生活のことです。

この生活を目指す目的は、食費の節約というよりは、趣味や道楽といったものです。私自身が色々な生き物を栽培したり、捕ってきて食べたりするのが好きなだけですね。

その生活を目指すうえで、重要なパートナーとなってくれそうな作物がサツマイモです。

正直、サツマイモは全作物の中でも、栽培の容易さや収穫量の多さから最良の作物だと思います。

本記事では、サツマイモが最良の作物である理由・優れている点をまとめてみました。

 

【サツマイモは栽培が簡単】サツマイモの優れている点

 

1. 手がかからない

サツマイモ栽培で行う作業は以下のようなものだけです。

  • 植え付け
  • 定期的な水やり
  • 除草
  • ツル返し

植え付けた後は、適度に草抜きと水やりをしてほっとくだけでできます。キュウリやトマトのように支柱を立てたり、摘果したり、日射量を気にする必要がありません。また、芋づるが伸びてくると、日光が遮断されて雑草も育ちにくくなります。

また耐乾性もあるため、多少水やりをさぼったところで枯れることもありません。

ツル返しとは、芋づるから生えてきて根を引き上げる作業です。

この根が育っても小さなクズイモしかできないため、この根に栄養を取られないためにするわけですね。

この作業も定期的に芋づるを持ち上げて根の部分を抜くだけでいいので、作業という作業ではありません。

 

2. 肥料をやる必要がない

サツマイモは栄養分の少ないやせた土地でよく育ちます。むしろ肥料をやると、地上の芋づるばかりが成長する、いわゆるツルボケという状態になって、地下の芋が大きくなりにくくなります。

よって追肥をする必要が無く、手間も金もかかりません。

耕作に不向きな食糧生産力の低い土地でも育つことから、かつて飢饉が発生した時期にもサツマイモは重宝されてきたという歴史があります。その有用性から「救荒作物」とも呼ばれています。

 

3. 連作障害が起こりにくい

同じ作物を毎年同じ場所で栽培していると、病気が発生しやすくなったり、収穫量が減少していまう現象がおこります。

作物の種類によって利用している栄養素の種類や量は異なるため、同じ作物ばかり栽培すると土中の栄養素のバランスが偏り、結果として作物が成長しずらい環境となってしまうわけです。

また、植物は根から微生物のエサとなる糖やアミノ酸などを分泌しています。同じ作物を栽培し続けていると、集まってくる微生物の種類にも偏りができ、特定の微生物ばかりが増えることにより病気を発生させやすくなります。

連作障害の起こりやすさは作物によって異なり、連作障害の出やすい作物は数年間も同じ場所での栽培を休んだ方が良いとされるものもあります。キュウリやジャガイモは2年間、トマト・ナス・キャベツは3~4年間、スイカやサトイモは4~5年間、栽培の間隔をあけた方が良いとされる作物たちです。

一方で、連作障害が起こりにくいとされているのは、サツマイモ・カボチャ・トウモロコシ・ニンジンなどです。なぜこれらの作物で連作障害がおこりにくいのかについてははっきりとした原因が特定されておらず、現在も原因究明を目的とした研究が続けられています。

サツマイモに関しては連作した方が甘く美味しい芋ができるとも言われていて、毎年同じ場所で栽培することが出来ます。

 

4. サツマイモは長期保存が可能

果実や葉物のようにすぐに傷んでしまわないので、長期保存にも向いています。収穫してから1~2か月ほど一定温度(13~16℃)に保った空間で寝かせることで甘みも増してきます。

翌年まで保存しておけば、種イモとして利用することも可能です。

 

5. 芋づるも葉も食べられる

半自給自足を目指す身として、芋に加えて葉や蔓も食べられるというのは大きなポイントです。

私が芋づるを食べられることを知ったのは、直売所で芋づるが売られているのを発見したのがきっかけです。10㎝程度にカットされた芋づるが30本程度束になって100円で売られていました。なお、食べられる芋づるは本茎の方ではなく、本茎から葉っぱにつながっている軟らかい茎のことです。

癖が少なくて食べやすく、炒め物から汁物まで何に入れても違和感なく使えるので便利な食材です。

夏場には芋づるは無尽蔵に成長するので、軟らかい部分を切って使えば、持続的に収穫することが出来ます。

秋に芋を収穫する際には、大量の芋づるが一気に手に入りますね。

 

家庭菜園でもオススメできる最強の作物
サツマイモまとめ

  • ほっといても育つ
  • 痩せた土地でも育つ
  • 連作障害が起こりにくい
  • 芋は長期保存が可能
  • 翌年の種イモにもできる
  • ツルも葉も食べられる

ざっとサツマイモの有用性を説いてみましたが、手間がかからず、葉や茎を合わせると収穫量も十分に期待できるということで、作物の鑑のような存在ですね。

芋づるを買うなら初期費用もかなり抑えられますし、支柱を立てたり、肥料もやらなくていいので経済的に見ても優秀です。

実際に50%引きの苗を10本220円で購入しましたが、そのうちの7本が順調に育ちました。ヘニャヘニャの芋づるで何本が根付くことだろうと考えていましたが、やはり乾燥に強くて丈夫ですね。

以上に挙げた理由から、サツマイモは私の目指す半自給自足には最適な作物だと言えるでしょう。私はズボラな性格なので、できるだけ手がかからず、収穫量が多いような作物をこれからも探していこうと思います。