生物・野食

ほっといても育つ野菜・果物12選~半自給自足生活を目指して~

私は半自給自足生活を目指しています。

半自給自足生活とは、自給自足とまではいかないけれど、普段の食卓の一部分だけでも自分で採ったもので補うという生活です。

この生活を目指す背景には大学時代の貧乏生活があります。

大学生活を過ごした田舎には魚が豊富な漁業権のない水域があり、食べられる野草・果物の豊富な環境がありました。

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そのような身の周りの食材を食生活に取り入れて、食費を浮かせていた時期もあったわけです。

しかし実際は、自分で採りに行かなくても、安いスーパーをまわり、メニューを試行錯誤すれば食費はほぼ気にならない程度まで落とすことが出来ます。

大学時代の食費は週800円以下でした。

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それでも私が半自給自足生活を目指すのは、単純に生き物を栽培したり採取したり、捕獲して捌くのが好きだからです。

そんな一つの趣味として私は半自給自足生活を目指しているわけですが、たまに食材について妄想することがあります。

「もし私が土地を持って、庭に作物を植えられるなら何を育てようか?」

わたしが作物に求めるのはコストがかかりにくいということです。家庭菜園は苗・種代、土代、肥料代、水道費など諸々の費用を考えるとむしろ赤字。買った方が安いという話もよく聞きます。

半分は食費の節約を目的とした栽培ですから、「金銭コストがかかりにくくそこそこの量が採れる」というのは重要です。基本的に一度植えれば数年以上は収穫できるものが良いですね。

また私自身がかなりズボラなので、「手間がかかりにくい」というのも重要なポイントです。手間とは育てていく上での管理の手間に加えて、収穫してから食べられる状態にするまでの処理も含まれています。

過度なあく抜きや、殻・皮むきなどのめんどくさいことはしたくありません。

今回はそれら2つのポイントに注目しながら、ほっといても育つ野菜・果物を12種選んでみました。

選定した作物の多くは、実際に野生化しているのを見かけたことがあるものです(一部野草も含まれます)。野生下でもしっかりと育つものなら、自分の土地でほっといても育ってくれるでしょう。

楽に作物を栽培したい方は参考にしてみてください。

 

 ほっといても育つ野菜

最初に紹介するものは、かなりほっといても大丈夫なものです。多少の手間がかかる、いわゆる作物と呼べるものは後で紹介します。

1. シソ

野生化しているものを多く見かける野菜です。私の家の近くにも野生化した群落があって、たまに採取していました。種から増えて毎年出てきます。

使用法は薬味、梅ジュースの風味・味付け程度でお腹には溜まりませんが、ふとした時にあると便利な草です。刻んで卵と混ぜて焼けばそれっぽい卵焼きができます。

 

2. ニラ

多年草で、一度植えれば何度も収穫することができます。生長が早いのも良いところです。

節約家の重要なたんぱく源である卵とあわせて、ニラ玉ができるのはポイントが高いです。

 

3. ノビル

これはもはや野草ですが、条件の良いところでは群落と呼べるようなものを形成することがあり、そのような場所が近くにあれば便利です。

葉はネギと同じように使用でき、地下茎も食ベられます。丈夫な野生ネギといったところです。

 

4. ミョウガ

やや日陰になるような環境があるなら育てられます。地下茎で増えていくタイプなので、一株植えれば勝手に増えます。1度植えれば3~5年は栽培できるのでコスパも抜群。虫がつきにくいのも良いところですね。

使用法はシソ同様、薬味程度なのですみっこに植えて放置枠です。

 

5. フキ

早春のフキノトウと、若い葉や茎を食べられます。フキは雌雄異株で、フキノトウができるのは雌株のみなので注意。地下茎を植え付ける方法が一般的です。

あく抜きしたり、筋をむく必要があったりして処理は多少面倒ですが、ほっといても育ちます。むしろ増えすぎる可能性に警戒しましょう。

 

6. スベリヒユ

こちらも野草。というかもはや雑草の類ですが、カナダ・ニュージーランド・山形県などではスーパーで売られているほどの立派な食材です。

オクラのような粘り気があり、味は癖のないほうれん草のような感じで美味。さっとゆでれば、サラダ・お浸し・味噌汁など様々なものに使えます。

雑草なので完全放置で大丈夫です。

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7. ヤブカンゾウ

一般的にはあまり有名ではない植物ですが、実は直売所で売っている立派な食材です。雑草ともいえるようなもので、地下茎で広がるため生えている所にはわんさかあります。

一方ユリの仲間で、朱色のきれいな花が咲くため庭で栽培されることもしばしば。身の回りにヤブカンゾウを採取できる場所がない場合や、夏ごろのお庭に彩りを与えたい場合は栽培してみても良いですね。

食べられるのは春ごろの若葉と、初夏のつぼみです。どちらもアスパラのような味がして、癖が無く美味です。軽くあく抜きすれば食べられ、量も稼げるので食材として優秀です。

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ほっといても育つ果物

樹木に関してはある程度、枝を管理する必要がありますが、基本的に放置で大丈夫なものを選んでみました。サクランボ、ブルーベリーなど可食部の少ないものではなく、そこそこ食べ応えがあることもポイントにしました。

1. キウイ

雌雄異株のため、雄株と雌株の2本を最低でも植える必要があります。近くに木があれば自然受粉で結実します。

家の近くに野良キウイの木があり、冬を越えて何年も実をつけていたのでそこそこ丈夫な印象です。

つる性のため、棚を作らなければいけないのは面倒ですが、逆に言えば生育旺盛で収穫量も稼ぎやすいです。

 

2. カキ

1本の木からたくさんの果実が収穫できるので、半自給自足生活向きの種です。

家の近くにも完全放置の柿の木が数本あって、毎年秋になるとたくさん収穫していました。果実が大きくて、お腹いっぱいになりやすいのが良いですね。

品種によっては雄花だけをつけるもの、雌花だけをつけるものがあるので注意が必要です。1本だけでも結実する品種を選びましょう。

あえて渋柿の品種を育て、干し柿を作って保存食にする方法もあります。

 

3. イチジク

家の近くのアパートの生垣に完全放置のイチジクたちがありますが、毎年しっかりと実をつけます。ヨーロッパの地中海沿岸では野生のイチジクがたくさん生えているのを見かけました。

受粉をしなくても果実がなるので、1本植えるだけで大丈夫です。背が低く場所を取らないのも良いですね。

カミキリムシの害にだけは注意が必要です。

 

4. ビワ

人家の庭先や、逸出して野生化したものもよくみかけます。昔、大学構内に完全放置のビワの木が数本あり、梅雨の時期になるとよく食べていました。

1本の木から多数の実がなり、そこそこ可食部もあるため、お腹いっぱい食べられます。包丁なしで食べられる手軽さも良いところです。

基本的に自家結実するので1本あれば実がなります。縦に伸びる木で、さほど大きくせずに育てることもできるので場所も取りにくいです。

 

最もオススメできる作物は「さつまいも」

作物といえる植物の中で最もオススメなのはサツマイモです。

おすすめポイントをまとめると…

  1. 連作障害が起こりにくい
  2. 芋に加えて蔓を食べられる
  3. 蔓はよく伸びる
  4. 痩せた土地でも育てられる
  5. 芋は比較的長期保存が可能
  6. その気になれば干芋も作れる

芋を植える時には芋づるを買って植えますが、ほかの作物のように苗を買う必要がないのでこれがまず安いです。

植える際にも痩せた土地で育つので場所を選びません。逆に肥沃な場所だと、ツルがかなり伸びやすくなりますが、ツルも食べられるので問題ありません。

あまり芋づるを食べる機会はないかもしれませんが、私の住んでいた田舎では秋ごろに直売所で売っていました。癖がなくて使いやすく、筋などをとる必要もないので便利な食材です。

虫害が発生しやすい嫌いはありますが、他の作物のように支柱を立てたり・芽摘みをしたりする必要が無く、肥料も最小限でいいので手のかかりにくい作物だと言えます。

(サツマイモについては、現在、庭で試験的に栽培しているので、220円10本の芋づるからどれほどの収穫ができるのか、結果が出たらまとめたいと思います。)

 

※追記

サツマイモを育てた結果、プランター栽培でもいくつかの芋と大量の葉茎を収穫できました。

ほぼ放ったらかしでできたので、やはりオススメできる作物です。

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ほっといても育つ野菜・果物・植物まとめ

以上、楽に育てられる植物をまとめてみました。

日常的に食卓に取り入れていくためには、疲れないことが大切です。

思い切って始めてすぐに辞めてしまっては意味が無いので、初めはほっといても育つ丈夫な作物を栽培することから始めてみてもいいかもしれません。

作物といえど過度に関わりすぎず、ある程度自立した丈夫な植物と継続的に関わっていきたいものです。